子宮全摘宣言からの不妊治療開始
不妊治療の前に立ちはだかったのが、子宮筋腫問題…「要子宮全摘」宣言
結婚前からずっと地元の小さな婦人科で経過観察になっていた子宮筋腫が少しずつ大きくなり、ついにある時先生から「子宮をとった方がいい」と言われてしまいました。
それまでは、
「2つ筋腫があるけれど、赤ちゃんの部屋を邪魔する位置ではないから、そのまま妊娠したほうがいい。
下手に手術をすると、子宮の壁が薄くなって子宮が破裂する恐れがある」
と言われていました。
が、その二つがさらに大きくなったため(5cmと10cm)詳しい検査をしたところ
結局無数の筋腫があって(いわゆる多発性筋腫)
「ここまで来たら、子宮全摘をお勧めします」
と急な宣告・・・本当にショックでした。
セカンドオピニオン、サードオピニオン
夫の後押しを受け、子宮筋腫手術で有名な病院にセカンドオピニオンを貰いに行くことに。手術するにしてもどの病院がいいかもわからなかったし、腹腔鏡の選択肢があるなら、それが得意な病院に聞いてみようと考えました。
妊娠前提で相談したので、すぐさま子宮全摘という病院はありませんでしたが、病院ごとの見解は少しずつ違っていました。
病院A:地元の総合病院の中の産婦人科。昔メディアにも登場の女医さん
(仕事でつながりのある友人より紹介)
・まだ妊娠できるから1日でも早く!今日から頑張って!
・あなたよりもひどい筋腫の人でも妊娠出産した人を知っている
・手術をしたほうがよりいいかどうかは専門の先生を紹介しましょう
(→病院Cを紹介していただく)
病院B:手術数トップクラスの病院の教授先生
・これだけたくさんの筋腫をとったら子宮破裂のリスクが高い
・このまま自然妊娠をトライして、数年後ダメなら子宮摘出
・筋腫は赤ちゃんが大きくなってくると自然に変形し、子宮はちゃんと大きくなるので大丈夫。
・妊娠した場合、管理入院が長くなる可能性はある。
今の技術なら500gの赤ちゃんでも助けられる一方で、
子宮破裂したら母子ともに助けられる見込みがない
・人工授精は特に検査で問題がない夫婦にはあまり意味がない
・子宮筋腫が邪魔をして卵巣が見えないので、体外授精は不可能
・どうしても、不妊治療の希望なら九州の病院ならお腹から採卵する方法を取っていると思うので紹介できる
病院C:中堅大学病院。手術がとてもうまい先生と病院Aの先生から紹介
・この状態で妊娠なんてとんでもない。リスクが高すぎる。
・今すぐにでも開腹で取れるだけとった方がいい。
・妊娠はこの年齢だとまず厳しいので子宮筋腫とは別問題。
病院D:筋腫手術数も多く、リプロダクションセンターがある総合病院
・年齢的に妊娠しないとも言えないけれど、厳しいのが一般的
・そのため、既に不妊治療をしてきているなら開腹で手術をするが、そういうわけではないので、症状が特にないなら(妊娠に対して)気が済むタイミングまでそのままでいいのではないか
鍼灸院の先生の一言から急展開・・・不妊治療へ
たくさん病院を回りましたが、すぐさまの手術も決断できず、かといって病院Bの先生の言うように九州に通うのは、経済的にも物理的にも現実的とは思えませんでした。
(夫は九州行きに少し心動かされたようでした。私も1回でうまくいくとわかっていれば行ったと思いますが、今となれば行かなくてよかったと心から思います。)
そこで、手術と不妊治療については保留にしつつ、当時極度の冷え体質だった私は、体質改善をしよう!と思い立ち主に妊活専門の鍼灸院に通うことに。
そこの先生に聞かれるまま現状を伝えると
「子宮筋腫があるから採卵できないなんて聞いたことがない。あなたより、もっとお腹が(子宮筋腫で)膨らんでいる人も治療している。まずは不妊治療の病院に行ってみた方がいいわよ!」と強く勧められました。
鍼灸の先生の実感としていいと思う病院を挙げていただいたところ、
・加藤レディースクリニック(新宿)
・新宿アートクリニック(新宿)
・慶愛クリニック(?うる覚えです:池袋)
・みなとみらい夢クリニック(横浜)
とのこと。私の記憶が正しければ、この順番でおすすめ、と言われたと思います。
後で知ったことですが、その先生は加藤レディースで妊娠されています(しかも47歳で!)。そのせいか、全て加藤レディースクリニックと関係のある病院です。
なので、上記はこの鍼灸院の先生のひとつの見解です。
私もこれを頭から信じないで自分で調べよう、とは思いましたが、色々なクリニックに通っている人を見てきている先生が感じている意見も貴重に思えました。
色々調べた結果、私はこのうち、新宿アートクリニックを選択し、通うことにしました。
それはまた別記事にしますが、九州まで通わずともきちんと採卵ができることがわかり、1年半に及ぶ先の見えない不妊治療の旅が始まりました。
今思うこと
時間と労力とお金をかけて病院を周り、結局どの病院にも通うことはありませんでしたが、結果として色々な先生の話を聞けたことはプラスでした。
まず、私の子宮筋腫に関しては、「絶対に今こうした方がいい」という正解があるわけではないことがわかりました。
また、大病院の大先生で婦人科医とはいえども、不妊治療の専門ではないので、それに関しては的外れなことを言うし、医師ではない鍼の先生でもたくさんの経験から得ているものは参考になるかもしれないということも実感しました。
情報をきちんと自分でも精査して考え選択するために、ひとつならず色々な情報が大事だなと感じています。
必死になると、余裕がなくなるので、目の前の情報が全てな気がしてしまうからこそ、すぐには飛びつかず納得してから…が全てにおいて高額な不妊治療において重要なことのひとつかなと思います。
最重要課題、不妊治療クリニック選び
若い方、すぐに妊娠できた方には無縁ですが、そうではない方にとって病院選びは不妊の成否を分けると言ってもいいような気がします。
もちろん、食事や運動など大事なことは他にもあります。
病院に通いつつ、不摂生をしているのではせっかくの治療も台無しかもしれません。
でも、病院をAにするか、Bにするかで運命がわかれることもあると思います。
ある病院の説明会に出たとき、バッグを買う時に1円単位の違いにこだわっても仕方がない、10%、20%と差が出た時に価値がある、
つまり、1円単位の努力=漢方やらサプリ等々
10%、20%の違い=クリニックの違い、
というような説明していました。
技術が低くほとんど体外授精に成功したことがないのに、不妊治療クリニックとして同じようにリストに挙げられているのだ、とも話されていました。
漢方やサプリが1円単位で比喩されるほどわずかなものかはわかりませんが、私の実感として病院選びは大きいなと感じました。
最近夫が買ってきた雑誌に、一部の不妊治療クリニックの成績が出ていました。
実施件数と妊娠に至った数値の羅列なのですが、割合を計算してみると成績はクリニックによって本当に全然違います。
いくら治療費が少しくらい安くとも、ほとんど成果の出ないクリニックでは貴重なお金が全て無駄になるか、かえって高くつく可能性が極めて高いのだと改めてゾッとしました。
この雑誌、不妊治療を始める前に見たかった・・・。
ただ、ありがたいことに、最近はインターネットの発達によって、不妊治療に限らず、病院のクチコミを知ることができます。
が、歯科でも内科でもクリニックの本当の実力(治療成績)というのは素人には本当にわかりにくい。
よい口コミでも、先生が優しいとか、スタッフ全員親身とか、施設が綺麗とか、お茶が出たとか、そんなことで評価が高くなっていても、実のところ最重要事項ではないのです。
なので、口コミをよくよく読む必要があります。決して料金や星の数だけで決めてはいけません。
また、1周期1周期が貴重な私のような高齢妊活者にとっては特に、できれば土日も採卵してくれる施設の方がいいと思います。
体の都合は必ずしもクリニックの都合通りにいかないことがあります。
私は年中無休のクリニックでしたが、それでも排卵済みになってしまったこともありましたし、急に排卵のスイッチが入ってしまって急遽採卵なんてこともありました。
私は途中で転院し、2つの病院に通いました。3つ目に変えてみようか、というとろで奇跡の着床。
次回は、私が通ったり検討したりしたクリニックについて書きます。
はじめまして
タイトル通り、44才で妊娠、そしてこれから出産を目指す妊婦です。
41歳で結婚→すぐに妊活を開始しましたが、高齢ゆえ自然妊娠ならず。
42歳から不妊治療を始め約1年半、ようやく赤ちゃんを授かりました。
その間、何とか妊娠を成功させようと、検索魔の日々。
主にブログをとおして、たくさんの妊活の先輩方の体験談に助けられ、励まされ、ここまで来ました。
それまでの1年半(タイミングから考えたら2年以上)の間、うまくいきそうな気配が全くみられず、もうダメなんだなと思っていた時期もありました。
でも、途中で気持ちを切り替え、「やれるだけのことをやてみよう!」と色々な情報を参考に改めて全力投球できました(それまでも全力投球のつもりでしたが)。
簡単に「だからあきらめないで、絶対にうまくいきますから」とはいいません。
でも、「あきらめないで、今あきらめて後悔する前に、まだできることあるかチェックしてみて、それをやってからでも遅くないです!その方がきっと悔いが残らないから」
と声を大にしていたいです。
私なりに「もっと早くこうしていれば・・・」ということ、「この方法がよかったのではないか・・・」ということ、後に続く皆様の参考に少しでもなればという気持ちです。
妊活は、長くなればなるほど、経済的にも精神的にも苦しいです。
何しろ先がちっとも見えません。
ちょっと気を抜くと、効くかどうかいまひとつわからない高額な商品や治療法や、願掛けの情報に踊らされるばかり。
藁にもすがりたくなる私たちの足元をみてお金を荒稼ぎしているような商売が多いような気がして忌々しく思います。
私がそれらの情報の真偽を暴くことは残念ながらできないのですが、少なくともいろんな情報を鵜呑みにせず、試行錯誤しならも、自分に合う方法を修正したり見直したりすることは重要だと思います。
そんな修正・見直しのひとつのツールに、また「その年齢でもまだいけるんだ」と思っていただくきっかかけになればいいなと思っています。